「移籍するかな」と思った吉田麻也が、サウサンプトンに残留したわけ (4ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

「勝たなければいけなかった。無失点に抑えて、というのも大事でした。小さな結果を積み重ねて、信頼を勝ち得ていくしかないと思っている。いつも言っていることですが、ひとつひとつやっていくしかない。今日のように試合に出してもらって、試合のリズムをつかんでいければ。ここから試合も多くなるし、出場が続けばもっとパフォーマンスもよくなると思う。コンディションもすごくいいです」

 移籍というのは、本人の考えだけで決まるものではない。所属クラブの意向や移籍先の思惑、監督の構想プランなど、さまざまな要因が複雑に絡み合ってくる。吉田としても在籍期間の長いサウサンプトンへの愛着が深く、昨季には、「試合に出られたらすべてがうまくいく」とクラブ愛も語っていた。

 残留か、移籍か――。昨季終盤からオフにかけて本人は相当悩んだように思うが、気持ちが揺らいだ夏を経て、今季もふたたびサウサンプトンのユニホームに袖を通すことになった。

 追い風にしたいのは、ピュエル監督がCBに求める役割と、日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督が要求する動きが、「ちょっとだけ似ている」(吉田)こと。「サイドにけっこう釣り出されるし、CBの運動量はクーマン監督のときよりも増えている。それは代表でやっていることと近いものがあって、僕としてはやりやすいですね」という。

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