リーガ序盤で失速も「心折れない」アトレティコと「沈没」バレンシア

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 アトレティコ・マドリードとバレンシア。

 リーガの名門2チームがスタートダッシュでつまずいた。2節終了時点でアトレティコが勝ち点2、バレンシアが勝ち点0。まだ開幕して間がないとはいえ、先行きに不安を感じさせる結果だ。とはいえ、この2チームを包む熱の温度は全く違っている。

格下チームに2戦続けて引き分け、渋い表情のシメオネ監督(アトレティコ・マドリード)格下チームに2戦続けて引き分け、渋い表情のシメオネ監督(アトレティコ・マドリード)「こんな戦いをしていたらレガネスとプリメーラ(1部)残留を争うことになる」

 アトレティコ・マドリードのエース、アントワーヌ・グリーズマンは、同じマドリードのクラブであるレガネスと引き分けた試合後、メディアに対してフラストレーションを爆発させた。その理由は明白だ。リーガの優勝を争うバルセロナ、レアル・マドリードがしっかりと勝ち点6を稼いだのに対し、勝ち点を計算していた、今季プリメーラ昇格組2チーム(アラベス、レガネス)に勝てなかったことへのいら立ちからだ。

 スペインサッカーが"ジャイアントキリングが頻繁に起こる攻撃的なリーグ"と言われたのも今は昔の話。資金力の差からくる格差は、下位チームには守備を固めて勝ち点1を狙うサッカーを、上位チームにはその守備を崩すことができる高い個人能力を備えた選手を揃えることを強要している。

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