2016.07.29

久保裕也は五輪に出場できるのか。
「出たい」気持ちとクラブの事情

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by AFLO

スイスリーグ開幕戦でゴールをあげた久保裕也 久保裕也(ヤングボーイズ)がリオ五輪に参加できないかもしれない――そんなニュースが駆け巡ったのは7月27日のことだった。

 時系列で追うと、ウクライナ時間26日21時45分に行なわれたチャンピオンズリーグ3次予選シャフタール対ヤングボーイズ戦で、久保の同僚であるFWアレクサンデル・ゲルントが負傷。久保はゲルントに代わって48分からピッチに立ったが、2-0で敗れている。

 クラブは27日に、公式サイト上で「ゲルントは離脱。久保はリオに行かない」と発表した。ヤングボーイズからは時を同じくしてブラジルにいる五輪代表スタッフにも連絡が入った。報道によれば、すでに日本協会の霜田正浩ナショナルチームダイレクターがヤングボーイズの本拠地ベルンに向かっており、クラブ側と直接交渉を行なうという。

 クラブ側が試合から間をおかず公式に発表したということは、久保は五輪には出さないという意思表示であり、決定事項ということだ。五輪は代表側に拘束力のない大会であり、最終的な決定権はクラブ側にある。ヤングボーイズの決定は決して理不尽なものではない。

 そもそも欧州では五輪サッカーの重要性が認識されていないという背景もある。クラブの内部においてもそうだし、一般の目に触れる報道の量も驚くほど少ない。日本やアメリカ、南米の五輪熱など想像もできないだろう。