放出か残留か。本田圭佑はミラン新監督モンテッラの天秤にかけられた (4ページ目)

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa

 その金額と天秤にかけられるのは本田のミランでの存在意義だ。彼のプロ意識、仕事に対する陰日向のない真面目な姿勢がチームメイトに及ぼす影響、 そしてアジア方面に向けてのマーチャンダイジングにおけるインパクト。今に始まったことではないにせよ、その広告塔としての力はやはり大きい。天秤の錘 (おもり)がどちらに傾くかは、モンテッラの胸先三寸といったところだろうか。

 モンテッラの最初の記者会見での本田に対するコメントは、 正直、わりと冷ややかなものだった。「まあ、見てみよう」「これから彼のプレーを見て考える」「もっと彼を知りたい」などの煮え切らない言葉のオンパレー ド。エムベイエ・ニアンに対する「非常に期待している選手だ」などに比べると、その温度差は顕著だった。

 つまり状況は本田にとって厳しい 方に傾きつつある。ただし、中国側がアジア向け戦略における本田の価値を重視して、この流れを止める可能性も大いにある。考えてみれば昨年の今頃も、本田 はほぼミランを後にすると思われていた。しかし結局はミランに残り、悪くはない活躍をした。今年もまた同じことが起こらないとは、誰にも言い切ることはで きない。

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