放出か残留か。本田圭佑はミラン新監督モンテッラの天秤にかけられた (2ページ目)

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa

 しかし今回の監督人事においては、さすがの彼も自分の意見を曲げるしかなかったようだ。ミランはもう彼のものではないのだ。

 それにしてもベルルスコーニは、どうして大好きなおもちゃ"ミラン"を手放す気になったのだろう? 

  第一に彼の年齢だ。80歳ともなると、もう日々直接チームに関わっていくことはできない。彼にはまだ政治も残っている。また、長きにわたりミランに注ぎ込 んできた巨額の資金(その多くは無駄金に終わった)を、多少なりとも取り戻したいという気持ちも少なからずあるだろう。
 
 とにかくミラ ンには今、新しい風が吹き始めている。中国側は彼らが信頼するニコラス・ガンチコフなる人物をチームに送り込み、チーム運営の全てに目を光らせるつもり だ。一方、ベルルスコーニ側は相変わらずアドリアーノ・ガッリアーニをテクニカル部門に残し、彼らに対抗するつもりだが、その力が半減するのは明らかだ。

 ガッリアーニが何かを提案しても、ガンチコフがNOと言えば、NOだ。こんなチーム体制の中で、新監督モンテッラは、もう3年も遠ざかっているヨーロッパカップ出場圏内にまでミランを導かなくてはならない。

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