放出か残留か。本田圭佑はミラン新監督モンテッラの天秤にかけられた

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa

サンプドリアからミラン監督に転じたモンテッラ(BUZZI/FOOTBALL PRESS)サンプドリアからミラン監督に転じたモンテッラ(BUZZI/FOOTBALL PRESS) 数々の栄光を勝ち取ってきた30年にわたるシルビオ・ベルルスコーニ時代を経て、ミランは変化の時を迎えている。チームは今、ベルルスコーニから資金豊かな中国人の手に渡されようとしている。

  ミランの株を譲渡したあとも、ベルルスコーニは名誉会長としてその名を残すはずだが、まさに名前だけで、それ以上の権限はほぼなくなるだろう。だからなの か、今回の株式譲渡は、本当に遅々として進まなかった。交渉には何カ月も要し、最終段階に入ってからも――もちろんこれは意図したことではないだろうが ――ベルルスコーニの心臓手術で、さらに最終決定の日が延ばされた。

 ただ、その間にミランの新監督はビンチェンツォ・モンテッラに決まっ た。このことからも政権交代が進んでいることがうかがえる。この決定は新オーナー、つまり中国側の希望にかなり配慮したものだ。ベルルスコーニの本心とし てはお気に入りのクリスティアン・ブロッキの続投でいきかったのだ。

 ベルルスコーニはこれまで、常に自分自身で監督を決めてきた。アリゴ・サッキ、ファビオ・カペッロ、そして最近では2シーズンで3人を潰すことになったクラレンス・セードルフ、フィリッポ・インザーギ、そしてブロッキといった新米監督たちに至るまで......。

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