「ハマれば強い」。ベルギーの優勝は、対戦国との相性次第? (3ページ目)
しかし、いつも対戦相手が、こんなにも“バカ正直に”攻めてくれるチームばかりとは限らない。
確かに、ベルギーが「ハマれば強い」ことはよく分かったが、その強さを絶対的なものとして、どこまで信じていいのか、正直、計りかねる試合だった。
実際、前半は盤石に見えたカウンターシフトも、後半に入ると、ハンガリーの攻撃の前に徐々に破たんの兆しを見せ始めた。
中盤の網にボールが引っかかっているうちは問題なかったが、それをかいくぐられ、DFラインが攻撃にさらされるようになると、意外なほどに脆かった。あわやというシーンをハンガリーに何度か作られ、GKティボ・クルトワの好セーブがなければ無失点で試合を終えられたかどうかはあやしい。
仮に失点していたとしても、ベルギーが負ける可能性はかなり低かったとは思うが、もっと冷や汗をかかされていても不思議はなかった。少なくとも、これほど思い通りの試合展開にはならなかったはずだ。
要するに、圧倒的とすら表現したくなるベルギーの強さも、どうしても「自分たちの得意な形に持ち込めれば」という注釈がついてしまうのだ。
決勝トーナメントの組み合わせを見ると、ベルギーとは反対の山に強豪が集まった。ベルギーは決勝に勝ち上がるまで、優勝候補と目される相手とは対戦することがない。有り体に言うなら、組み合わせに恵まれた、ということになるのだろう。
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