相手はイタリアでもスペインでもOK。ドイツ・レーヴ監督の長期戦対策 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Hara Etsuo

 しかも、初戦を快勝(4-0ポルトガル)した後、2戦目を引き分け(2-2ガーナ)、最終戦を最少得点差できっちり勝ち切る(1-0アメリカ)という展開も、まったく同じ。ここまでの流れは2年前と酷似しているのだ。

 試合結果に関して言えば、たまたまだろう。「縁起がいい」という程度の余談にすぎない。だが、選手起用の傾向については決して偶然ではないはずだ。わずか1カ月で7試合も戦う過酷な大会を勝ち抜くためのノウハウを(もちろん、そこに絶対はないが)、ドイツはすでに手にしている。

 現地6月21日の試合が終わった時点で、ドイツの決勝トーナメント1回戦の対戦相手は決まっていない。だが、これを勝ち上がれば、準々決勝の相手はイタリア-スペインの勝者。これに勝っても、準決勝では恐らくフランスかイングランドが待っている。かなりキツい組み合わせになることは、すでに決定済みだ。

 とはいえ、選手層の厚さが本当にものを言うのは、これからである。

 幸いにして、ここまでのフランスは天候不順で雨が多く、気温も比較的低い。現地15時キックオフの試合であっても、炎天下にさらされるようなことはなかったが、それでも試合が続けば疲労の蓄積は避けられない。今後、7月に向かって気温も上がり、大会がさらに過酷さを増すなかでこそ、ドイツの「ローテーション制」は生きてくるに違いない。

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