相手はイタリアでもスペインでもOK。ドイツ・レーヴ監督の長期戦対策 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Hara Etsuo

 先発でピッチに立つ11人はもちろん、交代選手もレベルが高く、誰が出ても実力的には遜色がない。今大会初めてマリオ・ゴメスがピッチに立っても、あれだけ大量のチャンスを作れたことが、それを物語っている。

 ドイツはグループリーグでの3試合で、計16人の選手が出場した。内訳は、3試合に先発出場したのが8人、2試合先発が3人、1試合先発が3人、交代出場のみがふたりである。軸となる選手は固定しつつも、豊富な人材を生かし、少しずつ選手を入れ替えながら大会を進めている様子がうかがえる。

 優勝するまでには、1カ月間で7試合を戦わなければならないトーナメントを勝ち上がるためには、"総力戦"が不可欠というわけだ。

 こうしたドイツのグループリーグでの戦いぶりを見ていると、2年前のW杯ブラジル大会を思い出す。

 この大会、ドイツはグループリーグをブラジル北部の暑い地域で戦わなければならなかったこともあり、コンディショニング調整にかなり注力した。その結果、7試合を戦い抜くなかで、登録メンバー全23人のうち、16人が最低1試合は先発出場し、他に交代出場のみだった選手ふたりを加え、18名の選手がピッチに立った。

 いわば、「ローテーション制」とでも言うべき選手起用が、優勝の大きな要因となったのである。

 W杯のグループリーグ3試合だけを取り出してみると、計16人の選手が出場し、内訳は3試合に先発出場したのが9人、2試合先発がふたり、1試合先発がふたり、交代出場のみが3人。つまり、今大会の選手起用は、ワールドカップ制覇時とよく似た傾向を示しているのである。

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