EURO3連覇を目指すスペイン。圧倒的な層の厚さも、守備陣にスキあり (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by AP/AFLO

 CBのジェラール・ピケ(バルセロナ)、セルヒオ・ラモス(レアル・マドリード)、GKのイケル・カシージャス(ポルト)は、実績は十分だが、ブラジルW杯では連係面から崩れ、無残な結果に終わっている。

 ピケは代表戦で極端に集中力が低下するケースがあり、レアル・マドリードの選手とうまが合わない点も懸念される。セルヒオ・ラモスは肩の痛みを引きずり、体力的にフィットしたシーズンを過ごしていない。控えのマルク・バルトラ(バルセロナ)は試合勘に問題がある。バイエルン・ミュンヘンのハビ・マルティネスは選出が見送られた。「CBの控えに甘んじない」という性格が災いしたか。

 そしてなにより、カシージャスは衰えが指摘される。ポルトでは、「チーム史上最低の買い物」という批判がやまない。スペイン国内では「落選候補」という声も上がった。

 メンツだけを見れば死角はない陣容だが、守備に乱れが出ると全体に波及する可能性もある。もちろんデルボスケ監督はどんな戦局にも対応できるように、メンバー選出に工夫をしている。例えば、足もとでボールをつなぐ選手が多いMF陣に、縦に速く強いドリブラーのルーカス・バスケス(レアル・マドリード)という異質なカードを残した。

「デルボスケ監督は、所属クラブでやっているようにプレーすればいい、と言ってくれる」(ノリート)

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