フランクフルト長谷部誠が3連勝で降格圏脱出。香川相手に見せた執念 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 そこに巻き込まれているのが、長谷部誠の所属するフランクフルトだ。第30節終了時点では勝ち点27で17位。絶体絶命のピンチに追い込まれ、ニコ・コバチ新監督も結果を残せず終わるかと思われた。だが、ここから反撃が始まった。マインツ、ダルムシュタットに連勝すると、第33節はドルトムントにも1-0で勝利を飾った。

 長谷部誠は言う。

「この3試合は逆にプレッシャーがあまりなかった。(第30節終了時点で16位のブレーメンと)4ポイント離されてしまったので、その状況の中で、開き直ってできているというか......」

 ドルトムント戦はいわば総力戦だった。「ドルトムントのパスワークを封じるため」(長谷部)、ピッチに水を撒かず、ボールが動かない状況を意図的に作り出した。ドルトムントの香川真司はそんななりふり構わぬ様子を「ウォームアップの時点でわかっていた。割り切るしかないな」と、見ていたという。この日は直射日光の照りつける25度を超える気温。ほとんどの観客が半袖というような暑さの中、フランクフルトはアップを短く切り上げた。サッカー以外でも、できる準備はすべて行なった。

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