「ドイツ人じゃないけど」連続ゴールの香川真司が感じたブンデスの文化 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 香川は言う。

「僕自身はドイツ人ではないし、そこまでバイエルンを敵対視して育っているわけではないので。もちろん、(ドルトムントとバイエルンが)ライバル関係にあるのはわかってますけど、それは選手の将来ですから(フンメルスの意向は尊重すべき)。今日、あらためてドルトムントのサポーターを見て、歴史文化を含めて自分たちのチームに対する愛だったり、ライバルに対する思いがあるんじゃないかなと感じました。それは一つのサッカー文化だなと感じました」

 ちなみにこの移籍“希望”はちょっと不思議なもので、フンメルス個人の希望が明らかにされただけで、ドルトムントによれば現時点で特にバイエルン側からのオファーはないのだという。クラブ公式サイトに掲載されたドルトムントCEOハンス・ヨアヒム・ヴァツケのインタビューによれば「新たな進展はない。移籍の必須要件として、バイエルンが我々の要求を満たす必要がある。だが正直なところ、それが起きる気配はまだない」とのこと。

 この発言からして、移籍金を釣り上げるために発表したなどとも考えられるが、日本人の肌感覚からすると、どう捉えていいのかなかなか難しい。バイエルンも来季はカルロ・アンチェロッティが新監督に就任し、体制が変わる。反応は慎重になるだろう。

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