安定感欠く世界王者ドイツ。リーダー不在が影響か (2ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Getty Images

 本大会のメンバーについては、数名を除いてヨアヒム・レーヴ監督の頭の中では固まっているようで、イングランド戦、イタリア戦ではいくつかのテストが行なわれた。

 CBはマッツ・フンメルス(ドルトムント)とケガから復帰間近のジェローム・ボアテング(バイエルン)でほぼ決まりだが、今回、バックアップとしてアントニオ・リュディガー(ローマ)とジュコドラン・ムスタフィ(バレンシア)、そして初招集のヨナタン・ター(レバークーゼン)にも出場機会を与えた。

 守備に問題のあったイングランド戦を踏まえて、イタリア戦では5バックというオプションがあることも披露。ボランチにトニ・クロース(レアル・マドリード)、メスト・エジル(アーセナル)という攻撃的な選手を並べるシステムが予想外に機能したことは大きな収穫だった。

 ヨナス・ヘクトル(ケルン)が台頭した左SBとは対照的に、フィリップ・ラーム引退後の右SB後継者は未だに見つけられていないが、本職がMFのセバスティアン・ルディ(ホッフェンハイム)がまずまずのパフォーマンスを見せている。

 CFではトルコリーグで好調のマリオ・ゴメス(ベジクタシュ)よりも、バイエルンで出場機会を失っているマリオ・ゲッツェがよりチームにフィットすることがあらためて明らかになった。攻撃的MFはトーマス・ミュラー(バイエルン)やマルコ・ロイス(ドルトムント)、ユリアン・ドラクスラー(ヴォルフスブルク)などタレントが豊富で、誰を起用するのかに頭を悩ませなければならないほどだ。

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