南野拓実が直面する厳しい現実。「なぜ先発じゃないのかわからない」 (3ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by AFLO

 シーズン途中での就任ということで、大幅に変えることはしなかったが、現在は軸となる選手を固定し、若い選手を回して使いながらチームを成熟させている状況だ。そのため数名の選手を除き、メンバーもフォーメーションも試合ごとに変わる。そんな中でチームの絶対的な存在にはなれていないというのが南野の現状だ。

 2月末に12試合ぶりのゴールを奪ったのは3位オーストリア・ウィーン戦のこと。南野にとって、2位ラピッド・ウィーンを含めたウィーン2強から挙げた初めての得点だった。だが、次の試合で南野に出場機会が回ってくることはなかった。その翌節のグレーディッヒ戦では先発復帰し1ゴールを記録したものの、その後は2試合連続でベンチスタートが続いている。

 南野はこれまでにも出場機会を失うことはあったが、練習でアピールして出場機会を掴み、そこで結果を残すことでポジションを勝ち取ってきた。いつも通り練習ではスタメンで出られるようアピールができているし、試合でもそれなりの結果を残している。「なんで自分がスタメンじゃないのか分からない」と、正直な気持ちを吐露した南野は、「試合を見ていてどうでした?」とさえ尋ねてきた。こんな南野は初めてだった。

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