2016.03.19

6年連続CL1回戦敗退。
アーセナル・ベンゲル解任論のリアリティ

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 FAカップとチャンピオンズリーグでの敗退が決まり、アーセナルのアーセン・ベンゲル監督の周辺が騒がしくなってきた。

1996年からアーセナルの監督を務めるベンゲルも今年10月で67歳 と言っても、一部サポーターによる「解任要求」は近年、珍しいことではない。3月8日のFAカップのハル・シティ戦では「アーセン、思い出をありがとう。今がさよならを言うときだ」と横断幕が掲げられたが、2014年11月の不振時にも同じバナーがスタンドに設置されていた。

 見出し重視でゴシップ色の強いタブロイド紙による「解任説」「退任要求」は、アーセナルがつまずくと決まって用いる彼らの常套手段で、ここ6~7年は似たような報道が繰り返し伝えられているように思う。その内容も、必ずしも現場の声をダイレクトに伝えているものではなかった。

 実際、昨シーズンの時点で、高級紙『タイムズ』のマット・ヒューズ記者にこんな疑問をぶつけたことがあった。「実際のところ、ベンゲルが解任される可能性はあるのか?」。彼の見解は、以下のとおりだった。

「クラブがベンゲルを切ることは、まずないと思う。ひとつ目の理由は、クラブ内で巨大過ぎるほど影響力を持っていること。選手補強はもちろん、座席シートの広さを確認し、移動用の飛行機までベンゲルが選んでいると聞いたことがある。