香川と激突のポルト。11年で1000億円を得た驚きの「錬金術」
それは坑道を堀り続け、金山を掘り当てるような作業かもしれない。確証はなく不安だらけだが、黄金と遭遇したときの快感はなににも優る。無論、準備もなしに山を掘ってもなにも出てこない。優れた山師には勘の良さと粘りがあり、その活動を支える資金もいる――。
なぜFCポルトは欧州サッカー界の雄として存在していられるか? それは彼らがまさに"金脈を掘り当てられる山師集団"を擁しているからだろう。
2月18日、ヨーロッパリーグ(EL)でドイツのボルシア・ドルトムントと激突するポルトガルの古豪の中身とは?
昨年レアルから移籍、ポルトの守護神となったイケル・カシージャス 2003~04シーズン、ジョゼ・モウリーニョ監督に率いられたポルトは、欧州チャンピオンズリーグ(CL)で頂点に立っている。その後のCLでは11シーズンで8度、ベスト16以上に進出。UEFAカップ(ELの前身)でも2010~11シーズンに優勝した。これだけ継続的に欧州カップで成果を残すのは10チーム前後しかない。その実績はローマ、リバプール、モナコ、アヤックスなど、大都市のビッグクラブを凌駕する。
そして特筆すべきは11年間で生み出した選手売却額が8億ユーロ(約1040億円)に達することだろう。デコ、リカルド・カルバーリョ、ぺぺ、アンデルソンを安く買い、バルセロナ、チェルシー、レアル・マドリード、マンチェスター・ユナイテッドなど名だたるクラブに数倍の値段で売っている。
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