武藤嘉紀、マンチェスター・U移籍報道の裏にある「2つの事実」 (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi  photo by AFLO

 とりわけ目を引いたのは、武藤の順応性の高さだ。もともと、スピードとフィジカルの強さには定評があったが、さすがに当初はチームのなかで自分の良さを発揮するには、連係面で課題が見え隠れしていたのも事実。しかし、試合を重ねるごとに司令塔ユヌス・マリをはじめとする前線の選手とのコンビネーションが向上し、今では周囲が武藤の特長を理解したことによって、自らの能力を発揮するばかりか、プレーの幅を広げることにもつながっている。

 結果、選手の価値を示す「移籍金」という物差しにおいても、武藤のそれは急上昇。FC東京からマインツへ移籍したときの推定約3億6000万円という金額は、今回のマンチェスター・U移籍報道では推定約18億~26億円と見積もられるようになっているのだ。つまり、武藤のヨーロッパにおける価値は約半年間で5~7倍にまで跳ね上がったことになる。

 そんな右肩上がりの"武藤株"に目をつけたと噂されたのが、名門マンチェスター・Uだった。

 今シーズンのマンチェスター・Uは、2年目を迎えたファン・ハール監督体制のもと、開幕前から積極的な補強を見せて戦力を大幅にアップ。万全の態勢でシーズンを迎えたものの、11月下旬から3連敗を含めて6戦未勝利という大不振に陥った。

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