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「パスをだらだら回すだけ」のオランダ代表に今、必要なこと

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper 森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

【サイモン・クーパーのフットボール・オンライン】オランダの凋落(後編)

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 ユーロ2016出場を逃したオランダ代表について、オランダ・フットボールの父であるヨハン・クライフはこう語る。「オランダは横パスとバックパスの数では世界一だ。今、オランダの最大の弱みはビルドアップにある」

次代のオランダ代表を担う存在といわれるデパイ(photo by Getty Images)次代のオランダ代表を担う存在といわれるデパイ(photo by Getty Images) バルセロナやドイツ代表は、相手ゴール近くで速いパスをつなげる。オランダ代表は自分のゴール近くで、緩いパスを続ける。相手チームはオランダがのろのろとパスを回すのを眺め、カットして攻め込むタイミングを待てばいい。

 オランダが再建を始める際に手本となるドイツとベルギー、スペインの3カ国も、パサーを生み出している。ドイツ代表はゴールキーパーのマヌエル・ノイヤーも含めて、ほとんど全員がミッドフィールダーのようにパスを出せる。

 それに加えてドイツの選手は、オランダ人が「独特の力」と呼ぶものを持っている。バスティアン・シュバインシュタイガーはタックルがすばらしく、メスト・エジルは最高のドリブラー、マッツ・フンメルスはヘディングが群を抜いており、トーマス・ミュラーは類まれなアスリート......といった具合だ。

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