ドルトムント大勝を演出。香川真司はアタッカーか、MFか? (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 2つのアシストはいずれも鮮やかなものだった。21分のチームの2点目は、左サイドでパスを受け、鋭いターンから縦に突破し、ディフェンダーを振り切ってマイナスのクロス。33分にはギンターのパスを胸でトラップし、そのまま右からペナルティエリアに侵入すると、ヒールパスをゴール前に流した。いずれも得点者はマルコ・ロイスだった。

「すごく良い連係が取れてると思いますし、結果につながったことは何より今後にとって大きなことなのかなと思います」と、香川は迷いなく胸を張った。

 各種のスタティスティックスを見ても香川の活躍は一目瞭然だ。例えば総走行距離は両チームでトップの11.52キロ。ドルトムントの2位はギンターで10.68キロだから、1キロ近い差をつけている。スプリントの本数はチーム3位、1対1の競り合いに勝った回数は2位だった。

 それでも香川のプレーに何か物足りないところがあるとしたら、それはひとえに得点がないからだ。この日に限って言えば、決定機と呼べるチャンスはいくつもあったのに、決めることができなかった。それを指摘されると、痛いところを突かれたというような表情で、言葉をひねり出した。

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