117位から8位。ユーロ初出場ウェールズが急成長した理由 (4ページ目)
ウェールズが今予選で挙げた9ゴールのうち、6点を叩き出しているベイルの存在なくして、ウェールズの悲願達成はありえなかった。だが同時に、コールマン監督はボスニア・ヘルツェゴビナ戦前にこうも指摘する。
「我々の躍進は、組織力の賜物。その証拠に、守備は強固で2失点しか許していない。団結力が高く、チームとしての完成度も高い。ベイルは、ここにプラスアルファの力をもたらしている」
ラッシュやギグスら突出した才能を持つ選手がいるだけで、予選の壁を打ち破れないことは、過去の歴史が証明してきた。今回の予選突破は、チーム一丸となって掴んだ勝利なのである。
事実、充実ぶりはピッチの上からも伝わってきた。最終ラインでは堅牢な守備を見せるDFアシュリー・ウィリアムズ(スウォンジー)が敵を潰し、中盤ではラムジーが攻守両面で活力を注入。背骨部分が固まったことで、攻撃の切り札であるベイルも気持ちよくプレーできた。さらに、MFジョー・アレン(リバプール)やDFベン・デイビス(トッテナム)といった脇役たちがしっかり仕事をこなすことで、英メディアに「黄金世代の到来」とまで評されるようになった。
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