フィンランドで優勝争いを牽引。田中亜土夢、野望を語る (5ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao photo by Getty Images

 田中は「フィンランドの居心地はいい」が、「長くいてはいけない」とも言う。

「冬は新潟以上に寒いですが、治安もよく、街もきれいでヘルシンキは住みやすいですよ。ずっと海外生活に憧れていたし、最初に生活する地としてこれ以上の場所はないかもしれない。ただ、サッカーのレベルを考えたらやっぱりフィンランドにずっといちゃダメだなとも感じています。もちろん、今季優勝してまた来年も欧州カップ戦にトライする選択もありますが、ここをステップにしたい気持ちは強いです」

 実は8月までHJKにはもう1人の日本人、ハーフナー・マイクも所属していたが、オランダ(ADOデンハーグ)への移籍が決まりチームを離れている。

「来たときは『来週から行くから』と連絡してきて、次が決まったらすぐに行きました(笑)。でも、僕自身マイクと試合でコンビを組んだし、すごく感謝しているんです」

 リーグ優勝とMVP獲得となれば、こんどは自分が移籍する番だ。どこか行きたいリーグはあるのだろうか。

「やっぱりドイツは行ってみたいですけど、いまは日本人選手が多いので(笑)。今回フィンランドリーグは日本人初だったので、そういうのもいいかなと。だから、あえて日本人選手がまだ活躍できていない場所に行ってみるのもいいかもしれないですね」

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