武藤嘉紀にマインツ・シュミット監督が求めるのは何か (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 いずれにせよ武藤に期待されるのは、何よりも岡崎に匹敵する得点数だろう。10得点から15得点をその活躍で見込みたいところだ。指揮官は武藤を「前線の全てのポジションでプレイが可能」と見ている。結果が重視されるドイツでは、役割を器用にこなすことではなく、攻撃的なポジションで出場する以上は得点が求められる。それを求めるに値する選手だという期待が指揮官にはある。

 そんな武藤に対して、ビルト紙やキッカー誌は語学力を課題に挙げている。英語ができることは、シュミット監督も「獲得前から確認していた」と発言しているが、ドイツではドイツ語が必要とされる。武藤自身もコミュニケーションに関しては危機感を持っているようだ。言語能力は戦術理解に直結するため、早めに周囲との意思疎通を図れるようにしたいものだ。

 7月17日に始まるエビアンでの合宿からは、ドイツ語のレッスンもスタートするという。歓迎ムードの中、周囲の期待の高さと武藤自身の向上心がうまく結びつけば、チームにフィットする日はそう遠くないはずだ。

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