コパ首位通過のアルゼンチン。メッシと監督の微妙な関係 (2ページ目)

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki photo by Getty Images

 初戦のパラグアイ戦は立ち上がりから一方的な展開となった。厳しい攻めが相手のミスや反則を誘い、GKへのパスをカットしたアグエロが先制し、メッシもPKを決め前半は2-0で終了。この調子なら、4~5点は入るだろうと思われた。しかし後半になるとリズムは一変。カウンターを何度も受け、その後はポゼッション率が激減してノーガードの打ち合いとなり、2失点を喫して引き分けてしまった。

 アルゼンチンは4-3-3の布陣だが、3トップで前に残るのはCF(アグエロ)のみ。メッシとディ・マリアはMFに近いポジションで、両SBが極端に上がり、それをカバーするためボランチのマスチェラーノが最終ラインに入る。攻撃時の形は3-4-3で、3トップの両サイドには右にサバレッタ、左にロホというSBが陣取る。タッチライン際の両SBには常にスペースがあり、そこを有効に使ってポゼッション率を上げる。

 しかしカウンターを受けたことでSBが上がれなくなると、安全にボールを預ける場所を失いパスがつながらなくなる。マルティーノ監督は、「後半になって突然、試合をコントロールできなくなった」と語った。だがそれを修正するのに適した交代は行なわれず、テベスとイグアインのFW2名を同時に投入した采配には疑問が残った。

 この試合のハーフタイム、ピッチへ向かう通路でメッシとディ・マリアが何事かをささやき合っていた。お互いに口を手で覆っている様子からして、他人に聞かれたくない話なのだろう。しかしそれを、テレビ放送のマイクが拾ってしまった。

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