CLベスト4へ。圧勝劇がバイエルンに与えたもの (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Watanabe Koji

 昨季国内2冠のバイエルンの今季の目標は3冠。国内だけでなく、何としてもCLのタイトルが欲しいのだ。グアルディオラがチームを率いるようになって2シーズン目。世界一のメンバーを抱えるチームに、欧州で最も優秀な監督がやってきて、さらにサッカーを進化させた――というストーリーが欲しいのだ。だが、そんな挑戦がわずか2シーズンで成功するほど甘くはないと、ポルトがその夢を打ち破る可能性も十分あるように思えた。

 だが、結果はバイエルンだった。

 特に前半は、アウェーでの3失点が火をつけたかのような、まさにバイエルンらしい猛攻を見せた。ポルトのロペテギ監督が、「バイエルンは欧州のベストチームの一つ。優勝して欲しいチームだ」と、完全に降参、お手上げの状態になるのも無理はなかった。

 この日のバイエルンは、初戦で3分に失点したのがこたえたのか、試合の立ち上がりは慎重に入った。ポルトにアウェーゴールを1点でもとられれば、窮地に追い込まれることになるのも確かだった。だが14分にMFチアゴの先制ゴールが決まると、そこから15分以内に2点を追加。一気に3-0として形勢を逆転する。さらにFWミュラー、レバンドフスキーがゴールをたたみかけて、前半で5-0と勝負を決めた。

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