再び走り始めた岡崎慎司。ハリルホジッチと運命の出会い (3ページ目)
実際、岡崎自身にも走れているという感覚はある。「(ゴール前に)張るっていうことにこだわり過ぎた時にリズムを失って(守備が)できなくなっていたので、そういう意味では何回か試合をやるごとに走れてきている。ゴールを決められたっていうこともそうだし、走れているっていうことは自分の中でデカいと思いますね」と、前節アウグスブルク戦後に語っていた。
葛藤を経た岡崎は、運動量を活かすというある意味自らの原点にたどり着いた。「自分は張っているだけの選手ではない」ということだ。ボールを引き出して組み立てに参加し、前線からボールを追い回して守備をする。もちろんそれでいてゴールも狙う。それはチームの助けにもなるし、「やっているサッカーのレベル自体が高くならないと、結局どこに行ってもできない」と言う自分自身のためでもある。
奇しくも岡崎はそんなタイミングでハリルホジッチ新監督を迎えた新たな日本代表でプレイすることになった。ブラジルW杯で「“自分たちらしさ”とかじゃなくて、もっと何かが欠けていたんじゃないかなって思わされた」アルジェリア代表を率いていたのが、まさにハリルホジッチ監督だったのだ。
アルジェリアは延長戦の末1-2で敗れたものの、精根尽きるまで走り切って世界王者に輝いたドイツ代表を苦しめた。そんな監督の下で岡崎はプレイすることになる。何という巡り合わせだろうか。ハリルホジッチ監督が求めるものと、岡崎が求めたものは一致するはずだ。今季マインツでまた一回り成長した岡崎は、新監督にどんな印象を与えるのだろうか。
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