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出場増えたスポルティング田中順也。「ジワジワいく」

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 スポルティング・リスボンの本拠地ジョゼ・アルバラーデで行なわれたスポルティング対ベンフィカのリスボンダービー(2月8日)。結果は、ダ・ルスで行なわれたシーズン前半戦のダービーと同じ、1対1に終わった。首位ベンフィカとの勝ち点差を縮めるチャンスを逃したホームチームにとっては、まさに天国から地獄へと突き落とされるような試合内容だった。この試合、89分から出場したスポルティングの田中順也は、ミックスゾーンで悔しさを隠さなかった。

「このチームでリーグタイトルを勝ち取りたい」と思うからこそ、試合終了の笛が鳴って引き分けに終わったことを悔しがった。

ベンフィカ戦後半、途中出場した田中順也(スポルティング)ベンフィカ戦後半、途中出場した田中順也(スポルティング) スポルティングカラーの緑と白に染まったジョゼ・アルバラーデが88分に歓喜の時を迎えるまでは最高のシナリオだった。宿敵から試合終了間際に先制ゴールを奪ったのだ。

 縦パスにナニが抜け出し、GKと1対1になるチャンスがスポルティングに生まれた。目の前にはこの試合何度もスポルティングのゴールを拒み続けたGKアルトゥールただ1人。大観衆が息を呑んだ瞬間、ベンフィカの守護神はまたも一度はゴールを防いだが、こぼれたボールはサイドバックのジェファーソンの前にこぼれた。振り抜いた左足から放たれたボールは再セーブを試みるGKの手の先を通りネットを揺らした。

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