2015.01.04

SNSをビジネスの中核に据えるビッグクラブ

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper
  • 森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

【サイモン・クーパーのフットボール・オンライン】SNSがサッカーを変える(3)

前回の記事はこちら>>

 ドイツの中堅クラブ、ボルフスブルクの幹部トーマス・ラテガマンは、国際フットボールアリーナの会議で語られていた将来のフットボール界のビジョンを聞いた後に、こう語った。「とても刺激になった。でもフットボールクラブにとって、ソーシャルメディアはブラックボックスだ。クラブの一番の仕事はフットボールをすることだ」

 ソーシャルメディアのブームに疑いの目を向けるクラブは、ほかにもある。かつては見たい試合や番組に応じて課金するペイ・パー・ビューのテレビ放送がブームになり、次にインターネット関連ビジネスがブームになった。だがどちらもすたれていったことを、クラブは忘れていない。

動画が大きな反響を呼んだピルロ(ユベントス)photo by Getty Images それでもビッグクラブは、ソーシャルメディアをビジネスの中核に据えている。フェイスブックのページを作ったり、インスタグラムのアカウントを設けたり、ツイッターのアカウントをインドネシア語で作るのは、ほんの手はじめだ。コンテンツが面白くなければ、ファンはついてこない。だからフットボールクラブのツイートは企業宣伝のように聞こえてはいけないと、ツイッター・ドイツのスポーツ担当パウル・コイタは言う。

 ソーシャルメディアでフォロワーを集めたいフットボールクラブは、あくまでフットボールクラブとして振る舞う必要がある。ソーシャルメディアは、普通なら知ることのできないクラブの内側をちらりとのぞかせるために使うべきだ。