ルイス・エンリケが率いる今季バルサの「3つの問題」
先週のチャンピオンズリーグで、バルセロナは国内外で今季無敗をキープしていたパリ・サンジェルマンをホームで破り(3-1)、華麗なる逆転でグループリーグ首位に立ち、決勝トーナメント進出を決めた。
だが、週末の国内リーグ戦では、ヘタフェのホームで今季2度目のスコアレスドローに終わり、結果、首位レアル・マドリードとの勝ち点差は4に開くことになった。この日の試合、キャプテンマークをつけていたシャビは、首位と差がついたことについて「一歩後退だ」と冷静に話した。
今シーズンからバルセロナの指揮を執るルイス・エンリケ監督 リーグ15節を終えた現時点で、ルイス・エンリケ監督率いるバルサが手にした勝ち点は35。昨季、ヘラルド・マルティノ前監督が同じ時期に得ていた勝ち点は40であり、今シーズンより上だった。ついでにいえば、現在、首位を走っているレアル・マドリード(勝ち点39)よりも、昨季のマルティノ・バルサの方が上だったのだ。
実際、ルイス・エンリケのバルサには、現在多くの課題が残されている。
1)求められる明確なスタイル
今季ここまで22試合を指揮しているルイス・エンリケが選んだ先発メンバーは、22通り。つまり、同じスタメンを一度も繰り返していない。これは、ひとつには、メンバーを固定してスタメンとベンチをはっきり分けることで、一部の選手の士気が下がる状況を避けたいという理由がある。
ルイス・エンリケが言うように「システムや戦術以前に、勝つことが大事だ。いい試合をすれば、その戦術が良かったことになる」のは確かだが、シャビの言葉を借りれば、「バルサである限り『よくできました』では許されない。常に『たいへんよくできました』じゃないといけない」のだ。周囲が結果に納得しない限り、この課題は指摘され続けることだろう。
ルイス・エンリケは「ロッカールームにいる全員の力が必要だ」と繰り返しており、スタメンも試合当日まで発表しない。そうすることで選手の緊張感を維持するメリットがある一方、スタメンが決まらないため、チームのプレースタイルが一定でないというデメリットもある。
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