ドルトムント連敗ストップも、香川真司が語った深いジレンマ (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 出し手にはなれるが、自分が直接ゴールに絡めないというのが、復帰当初からの問題なのだ。

「まだもうひとつ信頼されてないというか、見られてないところはあるから……。そのためには自分も結果を残さないと、というのはあります。自分がボールを持っているときにもっとチャンスになる、というのを結果で示していかなきゃいけないのかなという感じもします」

 香川がイングランドに渡る以前に比べて、現在のドルトムントは攻撃のスピードがアップしているのは、メンバーを見ても明らかだ。だが、香川がゴールに絡めないのはスピードが足りないからというより、ボールタッチがおぼつかないからという面もある。以前のような巧みなファーストタッチ、コンタクトなしにするりとディフェンスラインを抜け出すターン、軽快なドリブルがまだ見られないのは事実だ。

 細かく感覚的なものだけに、復活への道筋は本人にも説明するのが難しそうだ。だが、現在のドルトムントの良くも悪くもスピード一辺倒のサッカーに違いをもたらせるとしたら、香川しかいないはず。自身が納得できるプレイを早期に回復したいところだ。

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