開幕直前、スキラッチが語るセリエAとカルチョの現状
80年代後半から90年代にかけて、世界のサッカーの中心はイタリアだった。強豪国のトッププレイヤーのほとんどがイタリアのチームに所属し、セリエAはさながらW杯のようだった。それが今はどうであろう。イタリアのチームは久しくヨーロッパの舞台で活躍していないし、有望な若手はほとんど国外のチームにさらわれてしまう。W杯でも2大会連続グループリーグ敗退。かつてのカルチョ帝国の面影はない。 90年イタリアW杯の得点王でもあり、ユベントス、インテルでプレイした経験を持つ、トトことサルバトーレ・スキラッチはそんなイタリアを今どう見ているのだろうか。代表のこと、目前に迫った新シーズンについて語ってもらった。 元イタリア代表FW、サルバトーレ・スキラッチ ブラジルW杯の結果は、私にとっても残念なものだった。確かにイタリアは難しいグループに入ったが、それでも何かしてくれるのではないかと期待していたのだが......。 W杯でゴールをあげ、勝ち進む喜びを、身をもって知っているだけに、現在のアッズーリの選手がそれを味わえなかったのは残念だ。一体何が間違っていたのか、ひと言でそれを説明するのは難しい。勝敗とは様々な条件が重なっての結果だ。ただ選手招集の時点から何らかの過ちがあったように私は思う。W杯にはその時、一番調子のいい選手を連れて行く必要があったのでないだろうか。
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