2014.08.14

ヘルタ・ベルリン原口元気を後押しする指揮官と同僚

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by AFLO

 今夏、欧州への移籍を決断した選手の中で、おそらく最初からいくらかのアドバンテージがあると言えるのが、浦和レッズからヘルタ・ベルリンへと移った原口元気だ。

プレシーズンマッチでアピールする原口元気(ヘルタ・ベルリン) ヘルタ・ベルリンというクラブで何がアドバンテージに相当するかといえば、ひとつは監督がヨス・ルフカイであること。そしてもうひとつは細貝萌がいるクラブだということだ。もちろん、指揮官とチームメイトに恵まれたからといって結果に直結するわけではない。それでもチームに馴染み、コミュニケーションを取り、そして理解する必要がある初期段階においては、間違いなく大きな助けになるはずだ。そういう意味で幸運な移籍であり、賢明な判断だと思われる。

 なぜルフカイ監督だと幸運なのか。ルフカイは2011年、アウクスブルクという低予算のチームをクラブ史上初めて1部に昇格させた。さらに現地で評価されているのはその翌シーズン、1部になったからといって大幅な予算増や補強があったわけでもないのに、残留に導いたからだ。確かな手腕を持っていることは間違いない。

 戦力的に劣ることから、相手を研究して守備から入るのは致し方ない。だが、弱小チームにありがちな、ボールを奪った後に攻め手がないという現象が起きないのがアウクスブルクだった。意図を持って、時につなぎ、時に大きく蹴る。細貝やク・ジャチョルが加入直後から、自由にプレイしていたのが印象的だった。また、アウクスブルクの選手は最後まであきらめずに走るのも特長だった。ルフカイの求心力のなせる技だろう。