日本のアニメで育った得点王候補、ハメス・ロドリゲス
小宮良之のブラジル蹴球紀行(13)
いつの時代もメディアはスーパースターを作りたがるが、それは自然に生まれるべきものなのだろう。
ハメス・ロドリゲス。
ブラジルW杯で最も燦然とした輝きを放っているのは、クリスティアーノ・ロナウドでも、リオネル・メッシでもない。コロンビアの22歳の若者である。
ここまで5ゴールをあげる活躍のハメス・ロドリゲス(コロンビア)「ハメスは今大会のベストプレイヤーだろう」
決勝トーナメント1回戦で対戦したウルグアイのタバレス監督が敵を賞賛するほど、コロンビアの10番のプレイはインスピレーションに溢れ、それを体現する技術と度胸の両方に恵まれている。
「ハメスはな、"Los SupercampeonesのOliver Atom"なのさ! まるで漫画のヒーローのようなプレイをするぜ」
クイアバでの日本戦に向かう便で同席になったコロンビア人の男は、嬉々とした表情で語っていた。そのときは聞き流していたのだが、彼は彼なりに日本人に気を遣っていたのだろう。Los Supercampeonesは南米版の『キャプテン翼』のタイトルであり、Oliver Atomは主人公の大空翼のことらしい。
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