2014.07.02

アルゼンチン苦戦の原因はメッシにあり

  • 杉山茂樹●文 text by Shigeki Sugiyama
  • photo by JMPA

 アルゼンチン人がスタンドの半分近くを埋めたのに対し、スイス人はせいぜい1000人程度。ホーム同然の中で戦ったアルゼンチンだが、試合内容は、これまで見たこの国の代表チームの中で最悪と言いたくなるほど酷かった。準々決勝でドイツに大敗した(0-4)南アフリカW杯よりも悪かった。褒めたくなるところが一切ない試合。余計なお世話だが、先行きを案じたくなった。

 アルゼンチンは、ブックメーカーから本命ブラジルと差のない2番手に推されている。しかし、このアルゼンチンがブラジルW杯に優勝する姿を、僕はいま、まったく想像することができない。

スイス戦で決勝ゴールをアシストしたメッシ 何よりエースのメッシにその覇気を感じない。メッシは本来、見ていて楽しい選手だ。それは巧いからだけではない。サッカーが好きで好きでたまらない喜々とした様子が、身体からにじみみ出ているところにある。月並みな言い方をすれば「少年のような」となるが、いまのメッシは、ナチュラルにボールと戯れている感じではない。少年のようなナチュラルさはない。むしろ老人臭いのだ。これほど躍動感に乏しいメッシを見たことはない。

 分かりやすいのはプレイするポジション。低すぎるのだ。この試合に限った話ではない。代表チームでプレイする時のもはや癖といっていい。すっかり中盤選手としてプレイする。4-3-3の右ウイングとして起用されたはずの、先のイラン戦も例外ではなかった。