2014.06.20

ひらめきのGK、カシージャスはもう終わったのか

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

小宮良之のブラジル蹴球紀行(5)

「みんなに許しを請わなければならないね。このチームは、このような形で終わるべきではなかった。自分たち選手に最大の責任があるのは承知しているけど、同時に最も痛みも感じている。あとは将来につなげるため、(第3戦のオーストラリア戦を)できる限りいい形で終わるしかない」

 世界王者スペインの守護神イケル・カシージャスは、2連敗で大会を去る痛みを悄然として語った。カシージャス自身、オランダ戦、チリ戦と2試合続けて失点につながる大きなミスを犯している。オランダ戦はバックパスの処理を誤るなど酷かったが、チリ戦もシュートを弾けずに失点を招き、チリ代表のクラウディオ・ブラーボが好セーブを見せたのとは対照的だった。

チリに2ゴールを奪われ呆然とするカシージャス(スペイン)「カシージャス限界論」

 一時、収まっていた議論までが一気に噴出した。

 カシージャスは瞬発力、ひらめき、感覚、そしてトップレベルの試合の経験を武器とするGKである。高さや足下のプレイは決して高水準とは言えないが、それを補ってあまりある特長があった。少なくとも、これまで長所は短所を隠してきた。プレイエリアは決して広くないものの、ゴールライン上での反応は神がかり的で、ビッグセーブでチームを救った機会は数知れない。