ドイツの死角。定まらない最終ラインと多彩すぎる攻撃陣 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 それよりも心配があるとすれば、ヨアヒム・レーヴ監督の采配か。記憶に新しいのが2012年の欧州選手権準決勝。それまで順調に戦っていたドイツ代表だったが、イタリアとの大一番に際して、レーヴはメンバーに大幅な変更を加えた。前線の3枚を入れ替え、エジルのポジションも変えたのだ。

 準々決勝ギリシャ戦は1トップのクローゼに、2列目ロイス、エジル、シュールレという組み合わせだったのに対して、イタリア戦はエジルを右に出した上でクロース、ポドルスキーという組み合わせの2列目に1トップはゴメス。それまで見せていた勢いと得点力をかけらも見せることなく敗れ、敗因に指揮官をあげる声が多くのメディアに踊った。指揮官も自認する多彩な攻撃陣。だがそれが仇となったのであれば、今回も同じ不安がつきまとう。

 冒頭のアンケートの話題に戻ると、ドイツのグループリーグ敗退を予想する声が、優勝につぐ4位につけていた。まさかそんな番狂わせが起きるとは思えないが、あまり期待しすぎずに見守ろうというのがドイツ国民の心境なのかもしれない。

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