D・コスタ復帰も、連覇目指すスペインに3つの不安材料

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi
  • Photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 優勝候補に挙げられている前回王者スペインは、主要なブックメーカーのオッズでは、ブラジル、アルゼンチン、ドイツに次ぐ4番目の倍率となっている。テストマッチのボリビア(FIFAランキング67位)戦、エルサルバドル(FIFAランキング68位)戦では、自陣で守備を固める相手からしっかりとチャンスを作りだし、得点を決めただけでなく、2試合ともに無失点(結果はいずれも2-0)。前人未到の国際大会4連覇(※)に向けて好調な滑り出しを見せている。
※スペインは2008年欧州選手権、10年W杯、12年欧州選手権に優勝している。

 特にここにきて好調なパフォーマンスを見せているMFシルバは大きな収穫だ。2戦ともに、時に退屈なパス回しで終わることもあるスペインのプレイリズムのギアを一段も二段も上げ、ただのボール回しではなく、ゴールを目指すパスサッカーへと変貌させている。また、ともに個人で状況を打開できるMFイニエスタとのコンビネーションはゴールの匂いをぷんぷん感じさせ、このコンビはブラジルW杯でも注目の的になるだろう。

合宿中のスペイン代表。中央がデル・ボスケ監督合宿中のスペイン代表。中央がデル・ボスケ監督 エルサルバドル戦に関しては、得点こそなかったものの、FWディエゴ・コスタが73分間出場。本大会でのプレイに問題がないことをアピールした。さらにサイドチェンジからサイドバックがDFの裏をついてリターンパスを送るなどの形がしっかりと見えたことや、代表最多得点選手であるFWビジャが2得点と得点感覚を取り戻していることも大きなプラスだった。

 スペイン代表にとっては昨年のコンフェデレーションズカップの経験が大きい。決勝でブラジルの前に大敗(0-3)したが、FWフェルナンド・トーレスは「南アフリカ大会の時もそうだったけど、コンフェデの経験は自分たちにとって大きなプラスになっている。雰囲気、気候、芝の長さ、ボールなどね。だから勝てるとは言わないけど、経験していることは大きい」と、自信を見せている。

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