すべてのミランの問題のツケを、本田圭佑一人が払わされた

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

オフィシャル誌編集長のミラン便り(18)

 今シーズンのミランのすべてを凝縮させたような試合だった。土曜日の昼間に行なわれたアタランタ戦で、ミランは"ミランらしい"負け方をした。ミランは勝利にも値するプレイをしていたが、アタランタのブリエンツァが最後の最後に決めたゴールで、頭を垂れてピッチを出なければならなかった(ブリエンツァのゴールは今シーズンのセリエAのベストゴールに入るような見事なものだった)。

 先週のダービーでの勝利でヨーロッパリーグに一歩近づいたミランだったが、これでまたヨーロッパの舞台への希望は遠のいた。完全に望みが絶たれなかったのは、同じくヨーロッパリーグを狙うトリノとパルマが直接対決で引き分けに終わってくれたからである。

アタランタ戦に出場した本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS)アタランタ戦に出場した本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS) 本田圭佑に関しても、この試合はイタリアでの最初の5ヵ月を凝縮させたようなものだった。ダービーで最後まで本田を使わなかったセードルフ監督だが、今回は突如彼をトップ下でのサプライズ起用。ここは本田が長く望んでいた、彼本来のポジションである。しかし結局は45分間しかピッチにいなかった。

「本田を2トップの後ろに配せば、速いボールが縦に通ると思っていた。しかしアタランタはDFの前に一人選手を置いて、本田をシャットアウトしに来た。そのため本田は動くことができず、結局彼を下げてからはうまくいくようになった」

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