日本人最多ゴール記録の岡崎慎司、「たどりついたらまた欲が出る」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

「(香川の記録を)越えられなかったらこんなこと言ってないと思うけど、越えられたからこうやって言えますよね。越えられなかったら『マインツなので』とか、言い訳をしようと思ってました」

 ドルトムントは強豪で前線への配球も多いが、マインツ程度のチームでは自分のチャンスは少ないという意味だ。

「フォワードにボールが集まれば自分も点を取れるというのが自信になりましたね」

 前節のドルトムント戦の2ゴールで13得点となった岡崎。14得点目を目前にしたこの1週間は特別なものだったのだと言う。

「今まではそんなに記録を気にしたことはなかったんですけど、13点になったら、『14点、決めたいな』みたいな感じになっていた。だから、取ることができてほっとしています」

 日本人最多得点記録に並んだとたんに、新たな欲が生まれた。それこそがこの14点目を2試合連続ゴールという形で決めさせた原動力だったかもしれない。

「たどりついたらまた欲が出てくる、というか。そこまで強い欲ではないんだけど、次が見えたらそれをつかみたいという思いがありました」

 続けて、自分にとってゴールをすることが持つ意味に触れた。

「代表のゴール数もそうですけど、自分が生き残るためにとってきたことが記録に残るというのは、自分としては嬉しいし、やってきた甲斐があります。3年間、ドイツでなかなか結果が出なかったので、今ここで結果が出たことに関してチームや監督に感謝したいです」

 この日の得点は先制点。前半30分、味方のフリーキックに頭で合わせたものだった。セットプレイからの得点は今季初。しかも岡崎の代名詞とも言われるダイビングヘッドだったが、実は最近では珍しい形だ。

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