CL準々決勝でレアル先勝。最大の死角は「気の緩み」

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSU FOTOGRAFIA

 レアル・マドリードにとって昨シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)準決勝のリベンジマッチとなったボルシア・ドルトムントとの準々決勝ファーストレグは、ベイル、イスコ、クリスティアーノ・ロナウドの得点でレアル・マドリードが3対0と勝利し、第2戦に向けて大きなアドバンテージを手にした。

ダメ押しとなる3点目を決めたクリスティアーノ・ロナウドダメ押しとなる3点目を決めたクリスティアーノ・ロナウド 蓋(ふた)を開けて見れば、レアル・マドリードにとって全てが上手くいった試合となった。

 クリスティアーノ・ロナウドはCL100試合という節目の試合で、メッシらに並ぶCL最多得点(14点)を記録。昨季は所属していたマラガでドルトムントの前に涙を呑んだイスコも、定位置アピール弾を決めた。ドルトムントのGKバイデンフェラーの好守がなければ、ベスト16のシャルケ04戦(2戦合計9対2)と同じような大量得点ショーを演じてもおかしくなった。攻撃陣はその圧倒的な破壊力を披露した。

 守備に関しても今季のCL3試合目となる零封と、第2戦に向けて万全な仕事をこなした。中でもペペは59分のムヒタリアンのシュートを完璧にブロックするなど、ドルトムントの前に大きな壁となって立ちはだかった。瞬間湯沸かし器の性格さえなければ、誰もが認める世界でもトップクラスのDFであることを証明した。

 確かにこの試合、レバンドフスキー、ギュンドアンらがケガや出場停止のため、ドルトムントが飛車角落ち以下の状態であったことは、ホームチームにとって大きなアドバンテージだった。ドルトムントサポーターにしてみれば、「彼らがいればまた違った試合になっていた」と思う気持ちは強いだろうが、この日のマドリードの安定感のあるプレイは、第2戦に向けて彼らに不安を与えるのに十分なものだった。

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