2014.03.07

イタリア人記者が分析。
地に堕ちた本田圭佑の評判は今後どうなる?

  • クリスティアーノ・ルイウ●取材・文 text by Cristiano Ruiu 宮崎隆司●翻訳 translation by Miyazaki Takashi

 その証左が先の第26節、ユベントス戦で先発メンバーから外されたという事実であり、これは言うまでもなく、入団会見から現在に至るまでの約2カ月で、チーム内の本田の立ち位置、つまりヒエラルキーが着実に下がっていったことを意味する。要するに、ポジション争いに負けているということだ。
 
 つまり、当初の”鳴り物入りの入団”、すなわち”救世主”的存在から第5番目、あるいは第6番目のFWにまで落ちたということになる。現在のミランのシステムは4−2−3−1。いわゆるFW(攻撃的選手)の枠は3+1の「4」。忘れてはならないのは、今季終盤にエル・シャラウィが戦列に戻ってくることである。つまり、競争はさらに激化する。

 では、今後の本田はどうすべきなのか。結論はひとつ。ポジションの変更だ。ユベントス戦で途中出場した本田がMFとしてプレーした事実が物語るように、監督の意向はここにある。0−2で負けている試合、その残り20分での出場という事実を考えれば、MFとしての起用が “実験”であったことは明白だろう。

 もちろん、MF本田という構想が実践に移されたのには確たる理由がある。それは本田の”スピードのなさ”。たしかにこれは当初から懸念されていた要素だが、仮に今はまだコンディション自体が不十分であるとしても、まさかこれほどまでに”遅い”とは――。これが紛れもなくクラブ内外に共通する見方だ。

 また、この点でさらに言えば、スピードのなさを彼は稀有なまでの”タマさばき”の巧さと”判断の速さ”で補ってきたのだろうが、それが可能なのは、CSKAにせよ日本代表にせよ、<周囲が本田のために走る>という環境が整っていたからだ。ところがミランではそうはいかない。言うまでもなく、周囲(すなわちチームメイト)が本田のために走るには本田自身が”圧倒的な実力”を示し続けなければならない。マラドーナがナポリで、あるいはユベントスでジダンがそうであったように。そしてミランでは、かつてマルコ・ファンバステンがそうであったように。