韓国代表が語る「ギリシャより日本のほうが上」は本当か? (2ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao
  • ロイター/アフロ●写真 photo by REUTERS/AFLO

 ギリシャ、韓国ともにベストに近い布陣で臨んだなか、ギリシャにとって一番の収獲は、今冬にオリンピアコスから英プレミアリーグのフラムに移籍したものの、ひざの故障で欠場が続いていたエースFWのミトログルが先発し、約60分間プレイしたことだろう。大きな見せ場こそなかったが、ピッチに立った事実にこそ、意味があったはずだ。

 システムは、そのミトログルを頂点にした4-3-3が基本。ほぼベストメンバーがそろい、主力で欠けたのは負傷離脱したCBパパスタソプーロス(ドルトムント)と正GKくらいだという。36歳の大ベテラン、MFカラグーニスはスーパーサブ的な役割を担うようだ。

 本大会で対戦を控える日本にとって気になるのは、ギリシャの戦い方や特徴となるが、簡単にいえば高さが武器で、スピードに難があるとなる。

 この日、ギリシャが韓国に喫した2失点は、いずれもショートカウンター気味にDFの背後を突かれたもので、FWパク・チュヨン、ソン・フンミンの動きに、CBのA・パパドプロスがついていけなかった。ほかにもギリシャが韓国の攻撃的MF、ク・ジャチョル、イ・チョンヨンらスピードある選手に手こずる場面は数多く見られた。

 実際ギリシャはほとんどの時間帯で韓国にボール支配を許し、最初に失点を喫した直後の22分にカウンターから決定機を作った場面を除けば、チャンスはすべてセットプレイなど、フィジカルを生かしたパワープレイからだった。つまり、完全なリアクションスタイルで、自ら仕掛けるとなるとパワーに頼らざるを得ないチームともいえる。

 22分のシーンを振り返れば、自陣で奪ったボールを左サイドバックのホレバスが運んでクロスを入れ、中央でミトログルが相手DF2人を引きつけたところに逆サイドからカツラニスが長い距離を上がってきてフリーになっていた(イージーなシュートはポストを直撃)。日本としてもカウンターには警戒が必要だろう。ミトログルばかりに気を取られると、その裏が空きかねない。

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