アンチェロッティが語る「レアルで自分がやるべきこと」 (5ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper
  • 森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

●監督アンチェロッティのキャリア
1995~96 レッジャーナ 監督のキャリアをスタート
1996~98 パルマ 70年代にプレイしたクラブに監督として復帰
1999~2001 ユベントス 2001年のリーグ最終戦の途中で解雇が発表された
2001~09 ACミラン 選手と監督の両方でヨーロッパを制覇した4人目となる(現在は6人)
2009~11 チェルシー プレミアリーグとFAカップの2冠を達成
2011~13 パリ・サンジェルマン フランスリーグ制覇
2013~ レアル・マドリード

●アンチェロッティの指導術
 マイク・フォルデはアンチェロッティがチェルシーの監督だったとき、クラブのディレクター・オブ・フットボールを務めていた。彼が分析したアンチェロッティ流指導術の一部を紹介すると──。

*アンチェロッティの指導法は、いわば「参加型リーダーシップ」。彼は選手に発言させて、戦術や将来の展望を考えさせる。そうすれば選手にも責任が生じるし、監督との距離も近くなる。

*アンチェロッティは周りの話を聞くことができる。人の話をさえぎることもなく、大きな声を出すこともない。とても静かで、落ち着いた人物だ。周囲の人たちは彼と話すことが楽しいから、つい個人的な話までしてしまう。これがマネジメントに役立っている。

*アンチェロッティはまずい状況にあると思っても、プレッシャーを感じていることを周りに気づかせない。そうすることで、周りをストレスから守っている。

*一流とされる監督たちは、成功をもたらした自分なりのマネジメント術を確立している。そのため物事を積極的に変えられない。アンチェロッティは今も謙虚な姿勢を忘れず、新しい状況に適応し、学びつづけている。

From The Financial Times © The Financial Times Limited 2014. All Rights Reserved.

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