今季初の連敗。バルサは落日を迎えたのか (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi
  • 川森睦朗●写真 photo by Mutsu Kawamori/MUTSU FOTOGRAFIA

 2連敗。

 タイトルを狙うチームにとってはもちろんあってはならないことだ。だが、バルセロナの連敗は、CL、リーガという異なる大会でのそれぞれ今季初めての敗戦である。長いシーズンを戦うサッカーというスポーツで敗戦は当然起こるものであり、無敗を続けるのが難しいことはバルセロナであっても例外ではない。

 では、たった一度の連敗でここまで悲観的な話がなぜ出るのか。それはリーガのタイトル争いでマドリードの2チーム、特にライバルのレアル・マドリードとの勝ち点差が3に縮まったことからくる焦りが一つの原因だろう。そしてライカールト時代から続くバルセロナの黄金時代が永久的なものであって欲しいという思いが強いからでもある。

 もしサッカーがエスカレーターのように一度乗ってしまえば上がり続けていくものであれば、その思いが現実になることもあるだろう。だが、サッカーはチームという箱に乗る選手や監督によって強さも上下していく。

 アヤックス戦後、DFピケは記者会見の場で「今のチームと6冠を達成したチームを比較することはやめるべきだ。チームは良くなっているし、足りないのは自信を持つことだけ」と語った。また、シャビも「自分たちのスタイルに変わりはない。もし、自分たちに罪があるのであれば、全てが上手くいった1つの時代を作ってしまったこと」と語っている。ピッチの上で戦う選手は、誰よりも自分たちの強さに変化が生じていることを感じている。

 全てのタイトルを総なめにしたあのチームは戻ってこないかもしれない。だが、今のチームも欧州の強豪クラブであることに変わりはない。また、バルセロナはかつてヨハン・クライフのサッカー哲学を取り入れたり、CL優勝の立役者であったロナウジーニョやデコを切ってグアルディオラ監督のもとで大きな成功を手にするなど、改革を成功させてきたチームであることを忘れてはいけない。

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