伊代表FWエルシャラウィが語るザックジャパンの実力と本田圭佑 (4ページ目)
――その競争がいつになく激化する中、それでも多くの者達が“エルシャ、バロテッリ、ロッシ”からなる前線3枚を求めています。
「悪くないんじゃない?!(笑) というか、マジメな話、戦術的にもハマると思うな。言ってみれば昨季のミランと同じ形だ。きっと面白いサッカーを見せることができると思うよ」
エルシャラウィはバロテッリとともに期待のFWとして、イタリア代表でも注目を集める photo by Getty Images――エルシャのような若い選手にとって“イタリア代表の主将”ジャンルイジ・ブッフォンの存在は一体どういうものですか? 多くのことを学んでいると思いますが。
「多くのことどころではなくて、ブッフォンから学ぶことは無数にある。ポジションは違うけど、具体的なプレイではないとしても、やはり“超一流”と呼ばれる選手の凄味を目の当たりにできる。あれだけ長く世界ナンバー1GKの座に留まり続けるのが一体どれだけ凄いことか。
毎日のトレーニングに全身全霊を傾ける、その真剣さが他の選手とはまるで違う。それに、ブッフォンは超のつく“勝利マニア”なんだよ。紅白戦だろうがミニゲームだろうが、負けるともう何というか、それこそ手がつけられない危険な状態になる(笑)。とにかくチームにとってデカイ存在だよ。あの人が後ろにいるだけで僕らフールドプレイヤーが抱く安心感はとてつもなく大きいからね」
――では、10月に21歳になるエルシャが目標とする選手、もしくは憧れの選手は誰ですか?
「それはもう“あの人”しかいない。最初にカカ、その次がカカ、その次もカカ!!! 僕は小さい頃からずっとミラニスタで、カカと一緒にプレイすることが夢だった。今、毎日のトレーニングを彼と一緒にできることはまさに夢の実現になるんだけど、それでもまだ夢を見ているような感じだよ。
カカのプレイすべてをコピーしようとしているよ(笑)。彼のようなキャリアを僕も歩んでいけたらと思うし、正直なところ、それこそが紛れもなく僕の夢だ。
カカから多くを学びながら成長したいと思うし、実際に結果を残してミランを引っ張って、チームが勝利し続ける原動力になりたい。そして代表に招集されて来年6月のW杯へ行く。それが難しいことは百も承知だけど、だからこそ挑む価値がある。このケガが癒えたら、出遅れた分を取り戻すために人の倍以上は走らないといけないと思っているよ。そして、その先にあるブラジルへ、それこそ『チームメイトの本田』と一緒に行けたら最高だね」
プロフィール
ステファン・エルシャラウィ
Stephan El Shaarawy
1992年10月27日イタリア生まれ。父はエジプト人、母はイタリア人。ミラン所属。各年代別のイタリア代表に選ばれ続け、2012年にA代表デビュー。コンフェデ杯ではブラジル戦、ウルグアイ戦に出場した。昨シーズンはセリエAで16ゴールを決めた。
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