伊代表FWエルシャラウィが語るザックジャパンの実力と本田圭佑 (3ページ目)

  • クリスティアーノ・ルイウ●取材・文 text by Cristiano Ruiu 宮崎隆司●翻訳 translation by Miyazaki Takashi

――その日本とイタリアは来年のW杯で再び顔を合わせる可能性もある。もう一度ザック率いる日本と対戦するとなれば、果たしてイタリアはどういった戦い方で臨むべきと思いますか?

「この前のような失敗だけは絶対に犯さない、犯してはならないということだね。そのうえで、僕らが採る策は……、といっても一体どこまで言っていいのか分からないけど(笑)、とにかくまずは日本に主導権を渡さないような展開に持っていくだろうね。

 そして、あの試合で彼らが存分に示してみせた“速さ”と“激しさ(インテンシティ)”をベースとした密度の濃い攻めの形をどう防いでいくかが鍵になると思う。

 ただ、コンフェデ杯そのものに最大限の敬意を払うのは言うまでもないことだけど、それでも、W杯の本番はまったくの別物、ということだね。もっとも、僕自身はW杯をまだ一度も経験したことはないんだけど(笑)。

 でも、ピルロやデ・ロッシ、ブッフォンといった選手達は、それこそW杯を何度も経験するどころかそのタイトルを獲っていて、彼らと話をしていると、“別物”ってことの意味を理解できる。

 とにかく、僕の場合はケガ(左足指の骨折)を一日も早く治して、コンスタントにプレイして、プランデッリ監督を納得させる数字を残さなければならない。何と言っても僕は“当落線上ギリギリ”のFWだからね」

――そのイタリア代表については、現状、ファンのみならず識者の間で最も期待されているのがあなたの成長です。そして、あの問題児、マリオ・バロテッリ(ミラン)が少しでも“大人”になること。その一方で、ロレンツォ・インシーニェ(ナポリ)やマノーロ・ガッビアディーニ(サンプドリア)、アレッサンドロ・フロレンツィ(ローマ)といった若手が台頭してきています。加えて、膝の故障が癒えたジュゼッペ・ロッシ(フィオレンティーナ)が復調し今季開幕から7戦で5ゴール。セバスティアン・ジョビンコ(ユベントス)も本来のキレを取り戻しつつある。ブラジル行きのFW枠はおよそ「5」。かつてないほど競争が激化していますね。

「その通り。実際のところ今の僕は“当落線上ギリギリ”どころかその線にすら届いていないかもしれない。若手だけじゃなく、オスヴァルド(サウザンプトン)やアルベルト・ジラルディーノ(ジェノア)、ファビオ・クアリアレッラ(ユベントス)、それにルカ・トーニ(ヴェローナ)といったベテランもゴールをコンスタントに決めている。さらにフランチェスコ・トッティ(ローマ)もいる。37歳にしてあれだけのプレイができるのは本当にスゴい。インテル戦(第7節)のプレイはまさに圧巻だった。そしてアントニオ・ディナターレ(ウディネーゼ)もいる。あの人のうまさ、ボールをGKの届かないポイントに置く技術はまさに芸術だね。

 それに、ミランのチームメイト、(アレッサンドロ・)マトリもこれから調子を上げていくに違いないし、ケガが癒えれば(ジャンパオロ・)パッツィーニも必ず候補として割って入ってくる。競争は激しい。大切なのは、僕も含めたFW陣がどれだけプランデッリ監督を選手選考で“困らせるか”ってことだね」

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