ドイツ3季目、酒井高徳が語ったチーム内競争と日本人の宿命

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by GettyImages

 ドイツで3季目を迎えるシュツットガルトの酒井高徳にとって、今季は特別なシーズンになりそうだ。頼れる同僚だった岡崎慎司がマインツへ移籍。日本語でコミュニケーションを取り、助け合うことのできた仲間がいなくなったことは、寂しいことではあったが、一方でチャンスでもあるとも捉えていた。

ホッフェンハイム戦に先発フル出場した酒井高徳(シュツットガルト)ホッフェンハイム戦に先発フル出場した酒井高徳(シュツットガルト)「シンジさんがいなくなったので、これからは味方と分かり合えるまでとことん言うことは言っていこうと思う」

 昨季はリーグ戦で得点もアシストも残せず、自身のプレイにも不満が残ったと言う。それだけに、状況が変わったことを前進するきっかけにしようと考えていた。

 だが、チームは出だしでつまずいた。リーグ戦で開幕3連敗を喫し、ラバディア監督は解任。シュツットガルトU‐17で監督を務めていたトーマス・シュナイダーと15年6月までの契約を結んだ。シュナイダーは昨季、チームをU‐17ドイツリーグ優勝に導いたクラブ期待の監督。とはいえプロのチームを任せられるのはこれが初めてだ。初陣となったヨーロッパリーグ、プレイオフの第2戦は、ホームでリエカ(クロアチア)に敗れ、いきなり洗礼を浴びてしまった。

 マインツに移籍した岡崎は開幕戦でシュツットガルト相手に得点をあげ、チームは開幕から3連勝。明暗分かれる形になり「どうしてこうなるのかなと」と、考えてしまうこともあったという。

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