リーグ戦初勝利。シャルケ内田篤人が絶賛する新加入の2人 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by GettyImages

 ここまでフンテラールのいないシャルケは前線にボールの収まりどころがなく、攻撃は単調なものになりがちだった。だが、その悩みをボアテングが一気に解消した。合流からわずかに1日で、である。

「ああいう選手は個人の力があるから関係ないと思うんだよね。コンビネーションはもっと良くなっていくだろうけど、彼はそういうレベルの選手じゃないからすごいなと思います。後ろから見ていて、競り合いもしっかりやってくれる。入って一日しかやってないですけど、チームのためにプレイしてくれて心強かったです」

 ボアテングは4-2-3-1の2列目中央でプレイ。前線でボールを収め時間を作ることによって、周囲は余裕を持って攻撃参加できるようになった。前線で孤立しがちだったシャライにも意図のあるラストパスが入るため、チャンスの数も一気に増えた。

 そして懸案の最終ラインも奮起した。ここまでリーグ戦3試合で9失点。3日前のPAOK戦でも2失点を喫していた。だがこの日はそれまで不安定だったのが嘘のように、落ち着いた試合運びを見せた。

「逆に集中してやれましたし、これだけ失点が続いているので、みんなも無失点でいくという意識が強かったと思う。僕も隣の選手が代わって(内田の隣のCBはマティプがプレイすることが多かったが、この日はサンタナ)、少しカバーリングの意識を強くしたつもりでやりましたし。本当にこういうゲームが続けられればいいかなと思います」 

 左SBに入ったアオゴも、ドイツ代表経験者のクオリティを見せた。

「つなぐのがうまいなと思ったし、今日は相手への対策で特殊な守り方だったから難しかっただろうなと思う。ちょっとロングボールやクロスも通されていたけど、お互い様ですから。良い関係を築くことができればいいですよね。中盤にあっち(左)はユリアン(ドラクスラー)がいて、こっちにはファルファンがいるから、互いに上手くやれれば」

 今季は最終ラインからつなぐサッカーを志向するシャルケにとって、大きな補強となったのではないだろうか。

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