新天地の岡崎慎司、好調マインツと日本代表を語る (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

――開幕戦では古巣シュツットガルトを相手にゴールを決めました。

「今回の移籍は、自分の中ではドイツでの1回戦に負けたみたいな感覚なんですよね。だからシュツットガルト戦でゴールできたのは、自分自身を正当化できるような感じというか……。シュツットガルト時代は、自分の未熟さもありましたが、いろいろと反論したいところもあった。だから新しいチームで勝てたことは大きいです。ゴールだけではなくて、こういうサッカーで勝つんだと見せられた。実は試合の前、なかなか眠れなかったんです。準備期間も長かったし、いろいろな人から『移籍したら古巣相手に決めることが多い』とか、ヘンなプレッッシャーをかけられたりして(笑)。でも、自分がやってきたことが間違いじゃないということを勝って証明したかった。ゴール以外にも、勝ちへの執念を見せられたと思います」

――日本代表についてもうかがいたいのですが、最近は勝ち切れずに苦しんでいる印象があります。

「やっぱり90分間の勝負に対して甘さがあるかな、と。守り主体とか攻撃主体とか、そういう考え方ではなくて、勝つために今何が必要かというところだと思うんです。あと、僕は走れないと勝てないなと感じています」

――それは岡崎選手が、それともチーム全体が?

「全員が、です。例えばウルグアイ戦、コンディションはだいたい同じくらいで、技術で比べた結果が4-2で負けたということだと思う。その差を何でカバーするかといったら体力なのかな、と。確かに技術面でも戦えた部分もあったけど、結果は4-2です。その技術の部分を抜きにすると、ウルグアイには勝負勘という強みがあったと思うんです。点が入るぞというときはみんなで攻め上がったりする、いわゆる勝負勘が日本より勝っていた。でもそういうのって、今すぐ身につくものじゃないと思うんです。ある意味で経験だから、あと20年か30年たてば日本にだって身につくと思う。じゃあ今できることは何かというと、走り勝って相手を上回ることかな、と。コンディションを相手より整えて、その上で動いて、動いて、極限までやったときに、削るところが見えてくるのかなと思いますけどね」

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