2013.07.02

コンフェデ総括。サッカー向きの気質の国が戦った決勝トーナメント

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Akagi Shinji

優勝セレモニーで喜びを爆発させるブラジル代表 3対0。スコアの上では圧勝だが、僕はブラジルを強いとは思わない。同じ条件(試合間隔、移動距離)で決勝戦をもう一度戦えば、勝つのはスペイン。アウェーのハンデを差し引いても、別の結果になっていると思う。

 スペインは中2日。ブラジルは中3日。スペインが準決勝でイタリアとPK戦を戦ったフォルタレーザは、ブラジル北部の赤道にほど近い都市。決勝戦の会場であるリオ・デ・ジャネイロまでの距離は、ブラジルが準決勝を戦ったベロオリゾンチのほうが圧倒的に近い。

 結果はある程度、試合前から読めていた。3対0は予想しなかったが、もし負けたら事件と言いたくなるほど、ブラジルはスペインに対してコンディション的に優位な立場に身を置いていた。

 スペインは試合前から大きなハンデを抱えていた。で、開始早々(前半2分)に失点を許す。いきなり顔面を思い切りひっぱたかれてしまった。これでプラスアルファの力はますます出にくくなった。試合運びが荒っぽくなるのは当然だった。対するブラジルはホームの利も加わり、行け行けムードに拍車がかかる。ブラジルの勝利は、この時点で8割方決まったようなものだった。

 ブラジルの勝因を他に挙げよというのなら、ルイス・フェリペ・スコラーリ監督の力になる。ブラジル人監督の中で、近年、欧州で最も活躍した人物。と言うより、彼以外に活躍した監督はいない。彼がブラジル代表監督に就任するや、僕の中でのブラジル代表株は急上昇した。ブックメーカーのオッズにもそれは端的に表れている。スペイン1位、ブラジル2位だった2014年W杯の優勝予想は、その就任を機に逆転。ブラジルは首位に躍り出た。