混戦のW杯南米予選。アルゼンチン突破は9月に持ち越しへ

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki
  • photo by AP/AFLO

後半15分から出場するが、ゴールを奪うことはできなかったメッシ(アルゼンチン)後半15分から出場するが、ゴールを奪うことはできなかったメッシ(アルゼンチン) 6月11日に行なわれたW杯南米予選第14節(全18節)。注目カードはエクアドル対アルゼンチンだった。アルゼンチンが勝てば、他会場の結果次第で予選突破が決まる。

 しかし標高2850メートルのキトで、アルゼンチンはここ最近1勝3敗と分が悪い。酸素の薄さがスタミナを奪い、普段のパフォーマンスを発揮するのは難しい。サベーラ監督は高地対策として5-3-2の守備的布陣を選択した。4日前のコロンビア戦から4人を入れ替え、攻撃型選手は3人のみ。故障上がりのメッシはベンチスタート。エクアドルに着いてからも調整は平地のグアヤキルで行ない、試合当日にキトへ入った。

 前節はアウェーでペルーに敗れ順位をひとつ落としたエクアドルだが、ホームでは滅法強く、今予選でも6戦6勝。たしかに高地のアドバンテージはあるが、それだけではない。キトよりも高いラパス(標高3600メートル)をホームとするボリビアが低迷していることを見れば明らかだろう。ホンジュラスを南アフリカW杯に導いたルエダ監督の下、チームは確実に力を付けている。最強のアルゼンチンが相手ながら、「勝って当然」という意識でエクアドルの選手たちは試合に臨んだ。

 だが先制点をあげたのはアルゼンチン。開始2分に得たPKをアグエロが落ち着いて決めた。これで予選突破に近づいたアルゼンチンだが、それもつかの間。16分には、左からのFKをカスティージョがヘッドで決め1-1となる。

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